シナリオ005『家出』

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トリニティムーンフリー脚本005

『家出』

20151212

高辻カンナ

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女教師……まだ若い。ほんわかした感じ。

 

浩子……女生徒。真面目な感じ。

 


 

女教師「『使用フリー脚本005』」

 

浩子「『家出』」

 

ちょっと間。

 

女教師「で、浩子さん。どうして家出なんかしたの?」

 

浩子「先生のことは大好きですが、言いたくありません」

 

女教師「あーん。いじわるう。浩子さんが教えてくれないと、先生も叱られちゃうのよ? ねー、おねがいー。ダークモカチップクリームフラペチーノおごるからあ」

 

浩子「ごめんなさい。どうしても言えません」

 

女教師「この数日、どこに泊まっていたのかぐらい、教えてくれてもいいわよね?」

 

浩子「ごめんなさい。それも言えません」

 

女教師「ふーん。でも先生にはわかっているのよ。なぜなら、あたしはベテラン教師だから。浩子さん、恋人と一緒だったでしょう!」

 

浩子「え、え? ……あ、はい。そうなんです。あたし、恋人と一緒にいたのです」

 

女教師「まあ。不純異性交遊というやつなのね。ご両親が聞いたら、とても悲しむわよ」

 

浩子「いいんです! あんな人たちなんか関係ありません!」

 

女教師「それもそうよね!」

 

浩子「え、え、え?」

 

女教師「浩子さんだって、年頃の女の子だもの。愛する彼氏と一緒にいたい、その気持ちわかるわあ。親なんて関係ないわよね。恋って、そういうものだから!」

 

浩子「あ、あの。教師として、それでいいのでしょうか?」

 

女教師「いいのよ。あたしは先生である前に女、いや人間なんだから。誰かを愛する気持ち、それは誰にも止めることができないの。ええ、もちろん、親なんかには止められないわ!」

 

浩子「は、はあ」

 

女教師「そ、それでね。あの。聞きにくいんだけど。そ、その。じゃあ彼氏と……えっちしたのね?」

 

浩子「え? それは、その……」

 

女教師「(真面目な声で)浩子さん、これは大事なことなの。正直に、答えなさい」

 

浩子「はい、しました。あたし、彼氏と、えっちしました」

 

女教師「あーん。うらやましいわあ!」

 

浩子「え」

 

女教師「先生、じつはまだ処女なのよう。浩子さん、うらやましいわあ。ねえねえ、やっぱり痛かった? 先生に隠さないで教えなさいよお」

 

浩子「先生、話が脱線していると思います。あたしが家出した理由を、知りたいのではなかったのですか?」

 

女教師「そんなこと、先生にはもうどうでもいいの。ねえ、痛かった? どれくらい? タンスの角に、足の小指をぶつけた時よりも痛い?」

 

浩子「……それよりも、はるかに痛かったです」

 

女教師「うわあ! それは痛いわねえ。でね、その……男性のアレってどれくらいの大きさなの?」

 

浩子「先生、あたしがなぜ家出したのか聞いてください」

 

女教師「だから興味がないの。ねえ、教えてよお。男性のアレって、大きいんでしょ? どれくらいの大きさなのよお」

 

浩子「……これくらいです」

 

女教師「ええっ、嘘でしょ! いくらなんでも、そんなに大きいはずがないわ」

 

浩子「……すみません、これくらいでした」

 

女教師「え? 今度はそんなに小さいの? ははーん。浩子さん、先生に嘘をついてるでしょう。ひょっとしたら、彼氏とえっちしたというのは嘘なんじゃないかしら」

 

浩子「そんなことありません! あ、あの、男性のアレは大きくなったり小さくなったりするじゃないですか。先生だって、それくらいのことは知っているでしょう?」

 

女教師「うわあ、本当に経験した人の言うことは、やっぱり違うわあ。でね、最後まで痛かった? 途中から気持ち良くなった? 先生、心配なのよう」

 

浩子「先生。お願いですから、どうして家出したのか聞いて欲しいです」

 

女教師「そんな話はどうでもいいってば。ねえ、ねえ。先生はこれから経験するのよ? 教えてくれてたっていいじゃない。最後まで痛かった? それとも、途中から気持ち良くなった?」

 

浩子「……途中から気持ち良くなりました」

 

女教師「そうなの! 身体の仕組みって不思議なものねえ」

 

浩子「先生。あたし何でも話します。お願いですから、どうして家出したのか聞いてください。その話がしたいです」

 

女教師「いいえ。もういいわ」

 

浩子「いいんですか!?」

 

女教師「親御さんには今の話、そのまま伝えていいのよね?」

 

浩子「……はい。構いません」

 

女教師「ご両親は、さぞお怒りになるんじゃないかしら」

 

浩子「いいんです! あんな人たちがどう思おうと、あたしには関係ありません!」

 

女教師「浩子さん。お母様、心配のあまり倒れられたそうよ」

 

浩子「ええっ?」

 

女教師「それにお父様は、ボロボロ泣いていらっしゃった。『俺が悪かった。浩子ごめん。お父さんを許してくれ』って」

 

浩子「あの冷たい、あたしの成績にしか興味がない人が……」

 

女教師「何があったか先生は知らないけど、きちんと話し合うべきだと思うな。家出なんて幼稚なことをしても、問題は解決しないわよ?」

 

浩子「先生……」

 

女教師「彼氏とえっちしたとか、嘘なんでしょう。余計に両親を心配させてみようなんて、そういうのも良くない考えよ」

 

浩子「……ばれてたんですか」

 

女教師「これでも先生だからね。いえ、女の先輩だから、かしら。これでも先生、男性との経験はあるのよ? この数日は、どこに泊まっていたの」

 

浩子「マンガ喫茶を、転々としていました」

 

女教師「えっちなことは、もちろんなしね?」

 

浩子「はい、ありません。教えて貰ってもいいですか? あたしがえっちなことをしていないって、いつからわかってたんですか?」

 

女教師「この部屋に入ってきたときから、先生には、わかっていたわよ」

 

浩子「先生には、かなわないな……」

 

女教師「だって歩き方が普通なんですもの! 初めてのえっちをした後は、足の間に何かが挟まってる気がして、ガニマタになるのよ! そうよ、そういうものなの! 先生は大人で経験済みだから、何でも知っているのよ!」

 

浩子「先生……やっぱり処女なんでしょう?」

 

女教師「いやーん。どうしてばれちゃったのお?」

 

おわり

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