シナリオ007『大人のおもちゃ屋さん』

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トリニティムーンフリー脚本007

『大人のおもちゃ屋さん』

20160302

高辻カンナ

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……大人の女性。

 

店長……子供っぽい。

 


 

店長「『使用フリー脚本007』」

 

「『大人のおもちゃ屋さん』」

 

自動ドアの音。

 

店長「いらっしゃいませー」

 

「……あなた店員さん? ってことは成人してるのよね?」

 

店長「えへん、もちろんです。それどころかあたしは、この女性向けアダルトグッズショップの店長なのです。偉いのです」

 

「そうなの。ずいぶん幼く見えるから、驚いちゃったわ」

 

店長「よく言われるんです。それで今日は、どんなものをお探しですか?」

 

「そ、それが……その……」

 

店長「恥ずかしがらなくていいんですよ。女性がアダルトグッズを使うのは、ちっとも恥ずかしいことではないのです。それは男性社会によって押し付けられた、間違った性道徳観念なのですから」

 

「そ、そうよね。じつは、バイブというものに興味があるの」

 

店長「はーい。バイブはこちらになります」

 

「ふーん。ずいぶんと種類があるのね」

 

店長「長さとか、太さとか、動きとか、いろいろあるのです」

 

「あたし、初めてなのよね。こんなにたくさんあると、迷っちゃうわ」

 

店長「初めての方には、これなんてお勧めですよ。サイズも普通ですし、お値段もお手頃なのです」

 

「この大きさで普通なの? こんなに長くて太いの、あたしの中に入るかしら……」

 

店長「意外と入るものなんですよ。あたしもこれは、大好きなひとつなんです」

 

「入るの? あなたみたいな小さな身体でも? 信じられないわね」

 

店長「普通に入りますよ。入れて見せましょうか?」

 

「入れて見せちゃうの!?」

 

店長「お客様に、安心して購入していただきたいですから」

 

「はあ。目の前でバイブを使って見せるのって、アダルトグッズショップでは普通なのかしら? あたし、こういうお店に入るのは初めてだから、よく知らないんだけど」

 

店長「うちは、他の店より親切丁寧なのです。では、これを入れる前に、っと」

 

「入れる前に、することがあるの? 知らなかったわ」

 

店長「先に入ってるのを、抜くのです」

 

「もう入ってたの!?」

 

店長「新しく入荷したバイブを試すのも、あたしの仕事なんですよ」

 

「そうなの。でもいいわ。あたしは初めてだし、やっぱり、もっと小さいのを買うことにする。あら? これは何? ずいぶん変わった形をしているけど」

 

店長「それはアナルバイブですよ。お尻に入れて使います」

 

「お尻に? こんなものが? 信じられないわ」

 

店長「入れて見せましょうか?」

 

「やっぱり入れて見せちゃうの!?」

 

店長「お客様に、安心して購入していただきたいですから」

 

「ちょっとだけ、見てみたい気もするわね。自分では、絶対に使わないだろうけど」

 

店長「では、これを入れる前に、っと」

 

「入れる前に、することがあるの? アナルバイブって、やっぱり特殊なのかしら」

 

店長「先に入ってるのを、抜くのです」

 

「そっちにも入ってたの!?」

 

店長「だから、新しく入荷したバイブを試すのも、あたしの仕事なんです」

 

「いいわ。アナルバイブは買わないから。あたしが欲しいのは、さっきより小さいバイブなの。どんなものがあるの?」

 

店長「そうですね。これなんてどうでしょう?」

 

「あら。今度は、ずいぶんと小さいのね」

 

店長「バイブの一種で、ローターと言います。敏感な所に当てたり、中に入れたりして使います。手元のリモコンで操作するんですよ」

 

「これはちょっと……良さそうね」

 

店長「使って見せましょうか?」

 

「あなた、ひょっとして、見せるのが好きなのかしら?」

 

店長「これも営業努力なのです」

 

「いいわ。これをちょうだい」

 

店長「試してみなくていいんですか?」

 

「試せちゃうの!?」

 

店長「そうなんです。買ってから『これはいまいちだった』というのも嫌でしょう? この店のお客様には、素敵なオナニーライフを送っていただきたいのです」

 

「た、試せると言われても……やっぱり、それは恥ずかしいわ。それに、えっちな気分にもなれないし」

 

店長「専用の個室には、女性向けのえっちなDVDもありますよ。買ってから後悔しても遅いのです。ゆっくりと試してみてください」

 

「じゃ、じゃあ、ちょっとだけ」

 

店長「ごゆっくりどうぞー」

 

ちょっと間。

 

「あ、あ、あ」

 

店長「どうですか? 気持ちいいですか?」

 

「ま、まあまあ、ね」

 

店長「ダイヤルで、振動の強さも調節できます」

 

「あ、あ、あ。これ、凄い、かも。あ、あ、あ。あ? あら? 動きが止まっちゃったわよ?」

 

店長「壊れたのでなければ、電池切れですね。新しい電池を持って来ましょうか?」

 

「お願いするわ。できれば、早く」

 

店長「早い方がいいですか?」

 

「お願い、早く。新しい電池をすぐにちょうだい」

 

店長「どうしてですか?」

 

「い、いじわるしないで! こんな中途半端な状態で、我慢できるわけがないでしょう!」

 

店長「じゃあ、『お願いします、店長様。あなたの奴隷になります』って言ってくださいね」

 

「ええっ? それは、どういうこと?」

 

店長「お客様は、あたしの好みなのです。奴隷になるなら、新しい電池を差しあげますよ。どうですか? 電池、欲しいでしょう? 欲しくて、もう、たまらないでしょう?」

 

「い、意地悪う……」

 

店長「あたし実は、ドSで女王様な店長なんです。ほら、はやくお願いしないと、電池はあげませんよ?」

 

「お……お願いします……店長様。あなたの……奴隷に……なります」

 

店長「はい、良く言えました。新しい電池をどうぞ」

 

ちょっと間。

 

「あ、あ、あ! あーっ!」

 

間。

 

店長「お買い上げありがとうございます。他のアダルトグッズショップに行ったら、許しませんからね?」

 

「……はい」

 

店長「では、このローター、入れて帰りますか?」

 

「ええっ!?」

 

店長「入れて帰りますよね?」

 

「は……はい……。店長様の……言う通りに……します……」

 

店長「週に一度は、新しいグッズを試しに来てください。いいですね?」

 

「は……はい……。また……来ます……」

 

自動ドアの音。

 

店長「ありがとうございましたあ! ……うふふ。一挙両得! アダルトグッズショップって、やめられなーい!」

 

おわり

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